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トヨタ紡織株式会社

モビリティ空間に「安全」「快適」「環境」を提供する初出展の最新技術を多数紹介

モビリティ空間に「安全」「快適」「環境」を提供する初出展の最新技術を多数紹介

快適な移動空間を支えるコア技術として新技術を展示

トヨタ紡織は「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」に出展し、モビリティの快適さを追求するための新技術や新製品を中心に、展示・デモを行う。同社は自動車のシート、内装品やフィルターなどのサプライヤーとして知名度が高い。特にシートに関する製品は利用者の目で見て肌に触れる機会が多く、今回の展示会では「快適な移動空間を支えるコア技術」をアピールしていく。


トヨタ紡織は、同社の「技術フィロソフィー」として、人を考え、人とつながり、人から愛着を感じてもらえるものづくりを基軸に据え、「安全」と「快適」と「環境」に配慮した製品づくりを目指すことを掲げる。今回の出展では、安全の分野の「飛沫防止パーティション」、快適の分野の「軽々操作ロングスライドレール」「疲労状態推定・眠気抑制システム」、環境の分野の「自己修復ポリマー」が、各分野で注力している展示となる。

誰もが使いやすいシートスライドを実現

初出展の1つが「軽々操作ロングスライドレール」。ロングスライドレールは、セカンドシートなどを前後にスライドさせるための装置で、ワンボックスカーに搭載されることが多い。シートのスライドを簡単に、安全・安心して行えるようにするための仕組みとして、軽々操作ロングスライドレールを開発したという。

同社の担当者は「自動車のフロアは前下がりで、特別な仕組みのないロングスライドレールを使うと、着席した状態で前にスライドさせると急に前滑りして怖さを感じる。これを防ぐため、従来は樹脂シュー(摺動部材)を使い一定の抵抗を付与していたが、この場合、車外から後方にスライドさせると重い。軽々操作ロングスライドレールではくさび型の樹脂シューを用いた機構により、どのような操作シーンでも適切な重さで快適に操作できるようにした」と説明する。

簡単に仕組みを紹介すると、スライドのメカニズムに合わせてレールに備えたくさび型樹脂シューが動くことで、適切な操作力でスライドできるというものだ。前方へのスライドでは、くさびが「入る」方向に動き、適切な抵抗を生じさせる急な前滑りを防止。着座時の後方へのスライドではくさびが「抜ける」方向に動くことで、軽い操作が可能になる。サードシートへの乗降などで、背もたれをリクライニングさせて車外からスライドさせるときは、くさびを「完全に抜く」ことで前後方向に軽々動かせる。

トヨタ紡織では、将来のくるまの電動化を見据えて、現在は手動の操作によるロングスライドレールについて、電動化してさらに快適な操作を目指した製品の開発も視野に入れている。軽々操作ロングスライドレールも含めて、利用者の快適を追求する同社の製品開発の特徴的な一面が現れている。

疲労を検知し眠気を快適に抑制する技術をシステム化

快適の分野では、「疲労状態推定・眠気抑制システム」も初出展。くるまを運転中に疲れなどから眠気を催すことがあるが、それを「快適に」抑制する技術をシステムに仕立てた。システムは「疲労状態推定システム」と「眠気抑制システム」から成る。疲労状態推定システムは、内蔵されたセンサーにより心拍間隔を推定し、運行前後に座るだけでドライバーの疲労状態を推定する。眠気抑制システムは、専用のカメラによりドライバーの目や頭の動きを検知して眠気レベルを推定した上で、眠気を抑制するアクションを起こす。推定した疲労や眠気の結果は、管理者にリアルタイムで通知することも可能だ。

このシステムでは眠気を抑制する手段が特徴的だ。担当者は「通常、システムが眠気を抑制するためには、単純な刺激を与えることが多い。警告音やインジケーターでの表示などが用いられる。トヨタ紡織では、心地よいと感じる充実した時間を提供することで快適に眠気を抑制できるよう、音楽や振動を利用する」と語る。眠気のレベルに合わせて振動を与えたり、ドライバーが思い入れのある音楽を流したりすることで、脳の活動が活性化して眠気を抑制できるという仕組みだ。「研究では、単純な刺激による眠気抑制よりも、音楽などによる快適な眠気抑制の方が効果の持続が見られた」(担当者)。

2021年には、中部国際空港の自動運転実証実験に眠気抑制シートシステムを導入し、自動運転車両の遠隔監視員の眠気抑制の効果を検証。また2022年には疲労推定・眠気抑制システムを活用した運送事業者向けの実証実験も開始している。今回は、疲労状態推定システムと眠気抑制システムを組み合わせた総合的なシステムとして一般に初出展し、快適で安全なモビリティの実現への取り組みを広く伝える。

基礎研究の成果から車内の衛生に関する製品まで会場で実体験

環境の分野では、「自己修復バイオポリマー」を初出展する。自己修復バイオポリマーは、いったん切り離しても切断面を合わせることで、時間が経つと切断面が溶け込んで修復する性質を持つ。傷や切断から自己修復ができ、廃棄の削減につながる素材であり、さらに熱や光、水などの外部刺激が不要で、修復スピードも速い植物由来の自己修復性ポリマーの開発に成功した。

「完全に修復が可能な性質を持つため、幅広い応用が期待できる。自動車の部品などモビリティへの利用だけでなく、工業製品や住空間への応用なども考えられ、今回の出展で多様な来場者に見てもらって協創できるパートナーを見つけていきたい」(担当者)。

安全の分野の「飛沫防止パーティション」は、すでに販売されている製品で、タクシー会社からの車内衛生環境に対するニーズにより開発した。担当者は、「ニーズに応えて短期間で開発、商品化を実現した。風によるエアカーテンと微細繊維の不織布フィルターを組み合わせ、クリーンな空気を供給できるようにした。後席からの飛沫の付着リスクの軽減、エアシールド効果もある」と説明する。

実際の製品化に当たり、ドライバーの声を取り入れて視界や音の改善をするほか、取り付けの簡便性、さらにイタリア・ミラノのデザインチームが手掛けた江戸切子に似たお洒落なデザインを採用するなど工夫を凝らした。

このほか、環境分野では、CO2吸収能力が高い植物「ケナフ」を材料にして製品化したケナフボードなども展示する。展示会を通じて、既存の自動車業界の企業だけでなく、新規参入企業や、これから就職を考える学生にも、「安全」「快適」「環境」を掲げるトヨタ紡織のものづくりの大前提、技術の大前提を知ってもらい、人に寄り添ったものづくりの仲間を広げていきたい考えだ。

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