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  • 2022.06.29
日本精工株式会社

電動化時代の「走る」「曲がる」「止まる」に貢献するeアクスルやアクチュエータ技術を展示

電動化時代の「走る」「曲がる」「止まる」に貢献するeアクスルやアクチュエータ技術を展示

日本精工(NSK)は、「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」に出展し、電動化、自動運転化に向けた技術と製品を紹介する。ベアリングやステアリングで知名度が高い日本精工は、数年前から自動車の電動化を見据えた製品の開発に注力している。自動車業界の大きな流れに、ベアリングやステアリングの開発・製造で培った技術で対応する構えだ。

今回の出展のテーマとして、日本精工の担当者は、「自動車産業でもカーボンニュートラルへの取り組みは社会的、世界的に重要視されている。特に電動化によりCO2を削減していく流れの中で、『走る』『曲がる』『止まる』の各要素についてEV(電気自動車)を中心とした電動化に貢献する新技術や新製品を展示する」と語る。

『走る』『曲がる』『止まる』の電動化に貢献する新製品を展示
『走る』『曲がる』『止まる』の電動化に貢献する新製品を展示

EV車のeアクスルの「高速化」と「変速機化」に貢献する技術群を紹介

第1の「走る」では、日本精工独自のアイデアを盛り込んだ「シームレス2スピードeアクスルコンセプト」を紹介する。EV車のeアクスルは、既存のエンジン車のエンジンとトランスミッションに相当する中核的な製品である。現在のeアクスルの多くは、モータ回転数は毎分2万回転以下で、減速機により動力伝達をする構成であり、変速機を持たない。この構成によるEV車の課題として同社の担当者は「航続距離が伸ばせないこと、最高速度や加速度が不足すること」を掲げる。航続距離を伸ばし、走行性能を高めるために、小型軽量化と複数の減速比を切り替える変速機構の導入が求められているという。

日本精工が紹介するシームレス2スピードeアクスルコンセプトは、超高速モータの適用によりシステムの小型軽量化を図ると共に、減速比を切り替えて2段変速を可能にし、EVの航続距離延伸と走行性能向上を実現する。具体的には「トラクションドライブ減速機」「超高速モータ対応高速回転玉軸受」「パワーフロースイッチングデバイス」「磁歪式トルクセンサ」の4つの構成要素からなるコンセプトだ。

シームレス2スピードeAxleコンセプト
シームレス2スピードeAxleコンセプト

トラクションドライブ減速機と超高速モータ対応高速回転玉軸受は、モータの高速化に対応し、eアクスルの小型化につなげる技術と製品である。トラクションドライブ減速機は、油膜のせん断力を使って動力を伝達する減速機。ギアによる従来型の減速機に比べて、超高速回転でも静かに動力を伝達できる特性を持つ。

超高速モータ対応高速回転玉軸受は、毎分3万回転といった超高速モータの回転に対応できるように、新しい保持器の形状を採用した玉軸受である。「リアルデジタルツイン」を実現するシミュレーション技術を用いて、短期間で効率的な開発、設計を可能にした。

パワーフロースイッチングデバイスと称する電動シフトアクチュエータは、1つの制御モータで2つのクラッチを制御し2段変速を実現する。従来のオートマチックトランスミッション(AT)では、油圧でクラッチを制御していたため、運転中は常時ポンプを作動させることによるエネルギーの無駄が生じていた。電動シフトアクチュエータの採用により、変速操作を行うときだけ電力を使うことになり、無駄を省ける。

磁歪式トルクセンサは、パワーフロースイッチングデバイスによる2段変速の切り替えをスムーズにして、ショックのない変速を実現するためのもの。変速中のアクチュエータの動きをトルクセンサが検知し、フィードバック制御することでなめらかな変速を実現する。EV車のスムーズな走行を実現し、商品力を高めることにつながる。

「曲がる」「止まる」を進化させるアクチュエータ製品も

「曲がる」では、ハンドル部分とタイヤを転舵する部分を切り離して電気的に制御するステアバイワイヤに対応するアクチュエータを2つ出展する。「完全自動運転が実現するときには、ステアリングホイールを格納するような自動車が想定され、ステアバイワイヤの必要性が高まる。ここでは日本精工が得意とするコラムタイムの電動パワーステアリング(EPS)の技術が貢献できる」(担当者)。

ステアバイワイヤ:開発中のステアバイワイヤの概要
ステアバイワイヤ:開発中のステアバイワイヤの概要

出展の中心になるのは、ステアバイワイヤの実現に不可欠なフォースフィードバックアクチュエータと、ロードホイールアクチュエータの2つ。フォースフィードバックアクチュエータは、ハンドル側に用いるもので、運転者の意思の検知と路面状況に応じた操舵反力の生成を行う。様々なコラムのタイプに対応できるように、反力を生成する部分をモジュール化したアクチュエータを出展する。ロードホイールアクチュエータはタイヤ側に用いるもので、タイヤの転舵と路面状況の読み取りを行う。ロードホイールアクチュエータとして今回は、比較的重めのクルマに対応するタイプのものを展示する。これらのアクチュエータの間は物理的につながっていないため、特に相互の通信の冗長性を確保して信頼性を高めたシステムとして提供すると説明する。

「止まる」に貢献するのは電動油圧ブレーキ用ボールねじアクチュエータ。日本精工では、ブレーキの負圧がないハイブリッド車や電動車に向けて、必要なブレーキ力を得るための電動油圧ブレーキ用ボールねじアクチュエータの開発を進めてきた。
最近では自動ブレーキの普及とともにボールねじのブレーキへの適用ニーズが益々高まってきている。このようなトレンドに鑑み、今回、効率よくモータの力を油圧に変換するための高効率ボールねじを新開発し、電動油圧ブレーキ用のアクチュエータの小型化、高効率化を実現した。ボールねじのボールの循環に別部品を使わずに、循環溝一体ナットと軸受一体ナットを採用することでボールを内部循環させ、小型化と効率化を実現した。この技術は、2021年の「超モノづくり部品大賞」(主催:モノづくり日本会議、日刊工業新聞社)の「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞したもので、実際に展示を見ることで技術力を感じてもらえるだろう。

電動油圧ブレーキ用ボールねじアクチュエータ
電動油圧ブレーキ用ボールねじアクチュエータ

100年に一度の変革に対応した新しい自動車作りを支援する技術を展示

日本精工は、従来のビジネス領域であるベアリング、電動パワーステアリングの技術に磨きをかけながら、「車の構造が変わる中で、一歩飛び出して、これから必要となるであろう新しい製品の開発に取り組んでいる」(担当者)。電動化や自動運転化に必要とされる要素技術は数多く、その中でも日本精工が強みを持つ技術を活かして次世代のモノづくりを支える技術分野が同社ブースから読み取れる。

リアル展示会のブースには製品の使用部位がクルマ視点で理解して頂けるリニューアルしたカーモックアップのほか、コンセプトを具体化した実機や新製品を展示する。従来比30%の小型化と3~5%の航続距離向上を実現するシームレス2スピードeアクスルコンセプトや、ステアバイワイヤ向けのアクチュエータ、電動油圧ブレーキ用に独自の機構を使ったボールねじアクチュエータの出来栄えを体感していただきたい。

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